緊急経済対策で日本人は奴隷化する。

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執筆者 釈量子 幸福実現党党首 2022.05.13

◆一時給付金ではなく雇用拡大を

4月26日、政府は物価上昇への緊急対策ですが、「ガソリンなどの原油価格への対策」「生活困窮者への支援」「中小企業への支援」「エネルギー・食料などへの安定供給」の4つの柱を掲げ、6.2兆円の国費を投じることを決めました。

今回は、特に「生活困窮者への支援」に給付金を出すことの是非に焦点を絞ってみたいと思います。

「低所得の子育て世帯へ、子ども一人あたり5万円給付」は、困っている家庭にはありがたいかもしれません。しかし、給付金は一時しのぎにしかなりません。

朝日新聞デジタルが26日の記事で今回の5万円支給に対する、あるシングルマザーの声を紹介しています。

「(給付金は)非常に助かる話です。ただ、それだけでは問題解決にはなりません。目先の5万円より、安定した収入を長く確保できる雇用が必要です」

◆手厚い補助金をすれば下がる実質賃金

雇用の重要性としては、今回の緊急対策でも「中小企業への支援」を柱としていますが、ただし「賃上げをしたら、税金を安くする、補助金を上げる」という対策です。

安倍政権から行ってきた政府主導の政策でも、なかなか賃金は上昇しませんでした。実際に物価上昇を考慮した実質賃金は長期的には下がっています。

リーマンショックとコロナ不況の2つに共通していることは、不況に対して政府が大量の国費を投じたにもかかわらず、実質賃金は下落しました。

◆企業の活力を奪う補助金

実質賃金が上がっていくためには、企業が付加価値の高い仕事、つまり、お客さんの役に立つ仕事を増やしていかなければいけません。

しかし、例えば飲食店は面倒なコロナの休業補助金の申請で、1円の富も生まない政府とのやりとりで、経営資源がどんどん浪費されていきます。

しかも、いざ支給されたのは数カ月後で、目の前のお店の危機に全く間に合わなかったという話はたくさんあります。

ひどい場合は、政府に取り入って補助金をたくさんもらったり、自分の企業に有利な規制をするよう政府と癒着していきます。

◆経済を停滞させる電力自由化

最近の事例では、太陽光発電の事業者が気候変動対策のためと言って、土砂崩れが起きそうな場所でもどんどんソーラーパネルを敷き詰めています。

さらに、固定価格買取制度FITで、高い電気を国民に無理やり買わせ、2020年段階では、日本全体で2.4兆円も負担しており、一人あたり約2万円です。

それだけではなく、電力の自由化と称して、太陽光発電が苦手な安定供給の問題を、大手電力系の送配電部門に押し付ける規制を法制化しました。

つまり、規制や補助金で、政府の権限は大きくなり、利権が生まれてきます。こうなると、国の経済が停滞して、賃金が上がるどころの話ではなくなります。

◆「働き方改革」の実態は「働かせない改革」

他にも「働き方改革」の規制で、労務管理が大変になり社会保険労務士の仕事は増えたそうです。

しかし「働き方改革」の実態は、国民を「働かせない改革」で、残業などで長く働いてお金を稼ぐ手段を奪ってしまいました。

約340万人の雇用(全体の5.6%に相当)を抱える運送業では、「働き方改革」によって、ドライバー不足がより深刻になり悲鳴も上がっています。

重ねて、コロナ・パンデミックに入ってからは、感染症対策の名目で、過剰な規制が課されています。

◆いらない仕事の減量を

今、やるべき緊急対策は、無駄な仕事を政府がやるのではなく、いらない仕事を減量していくことで、民間がより付加価値の高い仕事に集中できるようにするためです。

そうすれば、自ずと雇用も増え、賃金も上がっていくでしょう。

ただ現在は円安の状況なので、中国資本が日本を経済面から侵略しないよう、外資の規制はしっかりとやるべきです。利権を温存させる理由に外資規制が使われないように注意しなければいけません。

◆困窮者の給付金のもう一つの問題

次に、困窮者給付金は給付の仕方に問題があります。

今回の給付金は、「真に生活に困っている方々への支援」として、いわゆる「プッシュ型」で給付します。

プッシュ型とは、一言で言えば、「押込み型」あるいは「押しつけ型」です。つまり、こちらで手続きしなくても政府が勝手にお金を振り込んでくれる、大変便利な制度です。

これに対して、プル型は「自己申告型」です。お金を受け取るためには、自分で動いて手続きをしなくてはいけません。

申告不要で迅速に手続きができるので、コロナ禍以降、メディアは「プッシュ型」をもてはやしています。

しかし、行政が国民一人ひとりのニーズを把握することは不可能なので、プッシュ型では「真に生活に困っている方々」だけに支援を行うことはできません。

今回の場合で言えば、なぜ低所得で子どもがいる世帯限定なのか、なぜ子ども一人あたり5万円なのかを説明できません。

そうすると、国民同士の不公平感が出てくるので、私にもお金を出せという話になります。

今後、経済の状態が一層悪くなれば、国民全員へのプッシュ型給付という話も出てくるかもしれません。

◆日本人の自由を守るために

しかし、プッシュ型の給付金は、基本的にマイナンバーと結びつき、国民の監視や資産への課税につながっていくため、非常に危険なものです。

政府は表向きにはあまり言いませんが、申請なしに給付を可能にすると言って、マイナンバーを推進すると、行政が国民の銀行の口座番号を把握したり、ゆくゆくは全銀行口座の紐づけなどを通じて所得状況や資産などを一元管理できるようになります。

ちなみに、紙のお金を無くして、全てを電子マネーにしてしまえば、タンス預金もできなくなるので、完璧です。

承認もしないで、判子もつかず、書類も書かず、「年収が幾ら、貯金が幾ら以上の人からは一律五十パーセントの税金を取って、恵まれない一千万世帯に、自動的に振り込む」ということが原理的に可能になります。

タダでお金がもらえることは嬉しいかもしれませんが、その後に待っているのは、地獄です。

こうした恐怖の世界が到来したら、それは今の監視国家の中国や北朝鮮と何ら変わらない国になってしまいます。

幸福実現党としては、こうした事態は何としても防がなくてはいけないと考えています。

やむを得ない事情の方への支援は必要かもしれませんが、政府の監視が前提となるプッシュ型はやめて、原則プル型での支援に限定していくことが、日本人の自由を守るために大切です。

◆「勤勉の精神」こそ、道を切り拓く力

大川隆法党総裁の『正義の法』で次のように説かれています。

「私は、基本的には、「魚を与えるよりは、『魚の釣り方』を教えるほうが正しい」という考えを持っています。魚を与えても、持っている魚は必ず尽き、手持ちの魚はなくなります。しかし、「魚の釣り方」を教えたら、教えられた側は、一生、魚を釣ることができるのです」

この魚の釣り方という意味で言うと、「勤勉の精神」を身につければ、これは一生を通じた宝となって、道を切り拓く力となります。

教育の現場では、努力が報われることを教えていくことが重要です。そして政府は、減税や規制緩和を通して、「勤勉な努力による、自由とその成果を認める」社会を創っていくべきです。

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